放射線測定器のたろうまる
投稿: 2013/12/06
たろうまる@なかやま

IAEA、汚染水放出の検討を勧告

汚染水の「増加」と「放出」2つのリスク

国際原子力機関(IAEA)は4日東京電力に対して、福島第一原発敷地内に貯蔵している低濃度汚染水の、海への放出を検討するように勧告しました。

福島第一原発の約1000基のタンクに貯蔵されている約40万トンの高濃度汚染水は、地下水の影響より、さらに増え続けています。また、地下貯水槽からの汚染水の漏水も見つかっています。

多核種除去装置(ALPS)を使うことで、汚染水から放射性物質を取り除くことができますが、比較的危険性の低いトリチウムは、除去することができません。政府の汚染水処理対策委員会は、3日に、ALPSの使用で高濃度汚染水は約7年間で浄化できるが、トリチウムを含む水は増え続け、2年で70万トンを超えるという見通しを発表しています。

トリチウムは、水素の放射性同位体で、半減期は約12年。原発に関連した他の放射線物質と比較すると、毒性は弱いとされています。

しかし、このトリチウムを含む水を海に放出すれば、付近で水揚げされた魚介類が風評被害に遭うとして、現地の漁業関係者や住民の間では不安の声が高まっています。

福島原発の廃炉作業を監視するために派遣されたIAEA調査団のレンティッホ団長は、全てのリスクを考慮した上で汚染水の放出について検討すべきだとし、「管理された放出は世界の原発で行われている」と述べました。