短時間・連続・加速器からの放射線を測定

パルス放射線

医療機器や素粒子論物理学で利用される高エネルギー・粒子加速器からの放射線は、パルス放射線と呼ばれています。

加速器からの放射線は、極めて短時間で高線量となる時間と、放射線がない時間が周期的に繰り返されています。

このようなパルス放射線は、通常、原子力災害等で利用されているサーベイメーター、線量計では正しく測定することができません。

パルス放射線測定システム PXR は、加速器の放射線を測定する目的で開発されました。

X線と高線量に対応

2タイプの測定器を組み合わせ、ネットワークで結合して加速器施設全体を監視することができます。事故や誤りにより設定された限度以上の放射線を検知すると、 各所に配置した音警告ユニットで高線量をお知らせします。

検出器AT1123は、散乱によって発生する低エネルギーのX線を検出することができます。広い方向特性をもっているため、設置が容易です。

検出器 UDKG-37 は、パルス放射線 0.3 Sv/秒、連続 1,000 Sv/h の極めて高線量まで測定できる検出器です。

最大32台

監視ネットワークは、産業用ロボット等でも使われている RS485 シリアル・ネットワークです。各ケーブルは最大1,000m まで延長できます。

検出器は AT1123, UDKG-37 の組み合わせで最大32台、音アラームによる警告を発動する音警告ユニット、警告時にパトランプのような外部機器を稼働させる接点ユニット、電光掲示板ユニットなどが利用できます。

制御盤内には、バッテリーが搭載されており停電時でもパソコンを除いて6時間まで連続稼働できるようになっています。

2タイプの検出器

一般的によく使われる原子力災害用の放射線測定器を使ってパルス放射線を測定すると、測定値は一瞬で高い値になり、すぐに低い値も表示される状況を繰り返します。測定としてはまったく安定しないため、正しく測定することができません。

パルス放射線を測定できる測定器は、ハードウェア自体は通常の測定器と同じですが、測定値を時間的に平均化する方法に違いがあります。

AT1123はパルス放射線に加えて、胸部レントゲンのような単発の照射だけでも測定を行うことができます。

検出器 AT1123, UDKG-37

パルス放射線のネットワーク測定システムで利用できるのは、2タイプの検出器です。

高線量向け・線量計 UDKG-37
UDKG-37

放射線測定器 UDKG-37

UDKG-37は、人間の被ばく限度を超えた超高線量を測定する検出器です。

連続放射線 5,000 Sv/h, パルス放射線 0.3 Sv/秒まで測定できる超高線量検出器です。最大 50,000 Sv までの耐久性があるため長期間の高線量監視に利用できます。

耐久性

1,000 Sv/h を超える高線量では、検出器だけではなく、半導体やメモリは機能を失い、ゴムなどの素材も劣化します。検出器 UDKG-37は、ゴムなどの防水素材、部品などの耐久性を検証し、50,000 Sv までの検出器寿命と耐久性を実現しています。

高線量での校正

検出器の製造では、4,000 Sv/h を含む10点の放射線を照射して校正点検を行っています。(校正証明書のサンプル)。 超高線量においても国際的なトレーサビリティを確保した校正を行っており、低線量から超高線量まで正確な線量率の測定ができます。

特徴

  • 5,000 Sv/h の高線量に対応したエネルギー補償型半導体検出を搭載。
  • 耐水深 50m までの IP 68 防水仕様。
  • 放射線対策を行った特殊ケーブルを採用。
  • 検出器ユニットから電子回路を分離することで高線量まで安定して測定可能。
  • 最大線量( 4,000 Sv/h) を含む10点での実測検査成績書・校正証明書を付属。
  • 最大耐久・線量率 10,000 Sv/h (照射時間5分以下)
  • 検出器寿命 50,000 Sv 以上
  • RS485 Modbus RTS 通信プロトコル提供
放射線測定器の指向性特性1
放射線測定器の指向性特性2
X線線量計 AT1123
AT1123

放射線測定器 AT1123

AT1123 は、胸部レントゲンのような単発照射の放射線と、連続したパルス放射線に対応しています。

特徴は広いエネルギー範囲と広い指向性です。広い測定エネルギーをもつ検出器を利用しているため、軟X線から硬X線、ガンマ線までを効率的に測定できます。同時に広い指向性をもつ検出器は、検出器に方向に対して依存性が少ないため、どんな向きに設置しても検出器として動作できます。

パルス放射線

医療や素粒子実験で使われる加速器の放射線は、線量0と高線量の状態が、数ミリ~数ナノ秒で周期的に繰り返されます。

X線・放射線測定器 AT1123 は、高感度・高速デジタル処理を行うことで、 最短10ナノ秒の 連続周期パルス放射線から正しい線量率を測定することができます。パルス放射線に対する正しい線量率が測定できることで事故や機器の操作ミスなどによる高線量の被ばくが発生した場合に、即座に警告アラームを発動することができます。

放射線測定器の指向性特性1
放射線測定器の指向性特性2

仕様

仕様項目 検出器 UDKG-37 検出器 AT1123
写真 超高線量・放射線測定器 UDKG-37 X線・ガンマ線・パルス線量計 AT1123
検出器 特殊シリコン半導体検出器
超高線量対応GM管検出器
人体等価シンチレーション検出器
Φ 30 x 15 mm
パルス放射線による平均・空間線量率の測定 30 μSv/s ~ 0.3 Sv/s
100 mSv/s ~ 1,000 Sv/h
30 pSv/s ~ 0.3 mSv/s
0.1 μSv/s ~ 10 Sv/h
パルスの最短周期 20 cps 10 cps
パルスの最短照射時間 1 μ秒 10 n秒
連続放射線の線量率の測定範囲 1 μSv/h ~ 5,000 Sv/h 30 nSv/h ~ 10 Sv/h
積算線量の測定範囲 測定できません 10 nSv ~ 10 Sv
エネルギー範囲 15 keV ~ 10 MeV 50 keV ~ 10 MeV
ガンマ線の感度( 137Cs )
0.15 cps/(μSv/h)
線量率0.1 μSv/h以下
58 mV/(μSv/h)
線量率0.1 μSv/h以上
70 cps/(μSv/h)
生涯耐久放射線量 50,000 Sv以上 100 Sv以上
最大接続数 32台
防水・防塵 IP68 (BDKG-37), IP54( AT1123), IP65(他の機材)

監視ソフトウエア

監視ソフトウェアを使って、各測定ポイントに対する警告発動の設定を行います。警告発動の放射線量を検出すると、音アラームでお知らせします。

機能

  • 管理者、ユーザー権限の2タイプ。管理者権限はすべての設定を変更できますが、ユーザー権限の場合には測定結果や警告の確認だけを確認できます。
  • 施設の地図の取り込み機能
  • 施設の地図に測定器アイコン、警告ライトアイコンを設置
  • 各測定器の警告発動値の設定(3段階)
  • 記録された測定値データのデータベース保存(システムの起動、停止、エラー、警告発動時間、日付・時刻)
  • 測定値の時系列グラフ化機能
  • 動作ログの保存
加速器・放射線測定器 パルス放射線 医療X線・放射線測定器
線量計 ガンマ線・放射線測定器 軟X線・放射線測定器 硬X線・放射線測定器

2号機シールドプラグ穴内での線量当量率測定によるシールドプラグ上段と中段の隙間のCs-137汚染量測定方法の実証測定

こちらは AT2533の使用例です。福島第一原子力発電所・2号機で測定が行われました。

東京電力福島第一原子力発電所における事故の分析に係る検討会 第22回会合(資料3-3)

福島第一原子力発電所・2号機 - シールドプラグ穴内での線量当量率測定

原子力規制庁 高エネルギー加速器研究機構 平山英夫 資料3-3 p.162 より

たろうまるの安心サポート体制

高性能な放射線測定器を、ずっと安心してお使いいただくために、最高のサービスを提供したいと考えています。
いつでもご遠慮なくお問い合わせください。

校正と点検

たろうまるは、正規販売店です。

測定器の販売、点検・校正、技術サポートまで、メーカーの技術者から教育を受けたスタッフが対応しております。 購入頂いた線量計、放射線測定器、サーベイメーター、食品用放射線測定器は たろうまるを経由して、メーカーでの修理、点検、校正を行うことができます。

安心の修理体制

メーカー保証期間、保証後も、修理は承っております。

修理品の送料につきまして、
弊社側からの発送の場合は弊社負担、お客様側からの発送については、お客様のご負担となります。あらかじめご了承ください。

サポート

すべての製品は、10年間以上利用されることを想定した耐久性のある設計です。 お求めいただく測定器は、長い期間お使いいただく製品になります。

たろうまるでは、お客様が製品を使用している間ずっとサポートを行っていく体制をとっております。 使い方、修理、校正、点検など、あらゆる場面において技術スタッフが、いつでも対応しております。

パルスX線検出器 AT1123 仕様

  • 製品の分類

    線量計
  • サイズ

    233 x 85 x 67mm ATOMTEX AT1123 - X線・線量計
  • 重さ

    900 g
  • 検出器

    プラスチックシンチレーション φ30 x 15 mm
  • エネルギー範囲

    • 15keV~10MeV
  • 連続放射線・線量率の測定

    • 0.05μSv/h~10Sv/h
  • パルス放射線・線量率の測定

    • 0.1μSv/h~10Sv/h
      ( 30pSv/s~0.3mSv/s )
  • 線量率の固有相対誤差

    • ±15
  • パルス放射線の最小周期

    10cps以上
  • パルス放射線の最小照射時間

    10ナノ秒以上 (最短8秒の継続が必要)
  • 積算線量の測定

    0.01μSv~10Sv
  • 感度 (137Cs)

    70 cps/µSv/h
  • 生涯耐久線量

    100 Sv
  • エネルギー依存性

    • ±35
      (15~60keV) [*1]
    • ±25
      (60keV~3MeV) [*1]
    • ±25
      (3MeV~10MeV) [*2]
    • ~-50
      (10~20MeV)< [*2]

    [*1] : 保護キャップ[A] 0.025~3MeV 使用, [*2] : 0.06~10MeV 保護キャップ [B] 使用
  • 2タイプの保護キャップ

    利用するエネルギーに応じて保護キャップを交換することで対応エネルギーを切り替えできます。 放射線・エネルギー切り替え
  • 動作温度

    -30~+50
  • 湿度

    95以下
  • 防水・防塵

  • ダウンロード

  • 国際規格への対応

    • IEC 61000-4-3-2009
    • IEC 61000-4-5-2014
    • IEC 61000-4-6-2011
    • IEC 61000-4-11-2006
    • IEC 61010-1-2014
  • 校正・試験所規格

    ISO 17025

超高線量パルス放射線・測定モジュール UDKG-37 仕様

  • 製品の分類

    放射線測定器モジュール
  • サイズと重さ(検出器)

    直径 : φ 25 mm
    高さ : 135 mm
    重さ : 250 グラム
    (ケーブルを除く)
    ATOMTEX UDKG-37, BDKG-37 検出ユニット
  • 検出器

    • シリコン半導体検出器
    • ガイガーカウンター
  • エネルギー範囲

    50 keV ~ 10 MeV
  • 連続放射線・線量率の測定

    1 μSv/h~5,000 Sv/h
  • パルス放射線・線量率の測定

    100 mSv/h~1,000 Sv/h
    ( 30 μSv/s~0.3Sv/s )
  • 固有相対誤差

    • ±25%
      (線量率 Ḣ*(10) 10μSv/h以下)
    • ±15%
      (線量率 Ḣ*(10) 10μSv/hより上)
  • パルス放射線の最小周期

    20cps以上
  • パルス放射線の最小照射時間

    1μ 秒以上 (最短1秒の継続が必要)
  • 積算線量の測定

    測定できません
  • エネルギー依存性

    ±30%

    (137Cs 比:662keV, 50 keV ~ 3 MeV)
  • 感度

    • 0.15 cps/μSv/h
      (線量率 Ḣ*(10) 0.2μSv/h以下)
    • 58 mV/μSv/h
      (線量率 Ḣ*(10) 0.2μSv/hより上)
  • 生涯耐久線量

    50,000 Sv
  • 防水・防塵

    IP 68
    (検出器部・静水圧 500kPa時水深 50m まで)
  • 除染液体に対する耐性

    • 混合物1:濃度 30~40 g/L 苛性ソーダ NaOH + 濃度2~5 g/L 過マンガンカリウム KMnO4
    • 混合物2:濃度 10~30 g/L のエタンニ酸 H2C2O4+1g/Lの硝酸 HNO3
  • 動作温度範囲

    -30℃~ +60℃
  • 相対湿度

    98%未満
  • ダウンロード

  • 校正

    照射・線量率 単位
    7.0 μSv/h
    70.0 μSv/h
    700 μSv/h
    7.0 mSv/h
    70.0 mSv/h
    700 mSv/h
    7.0 Sv/h
    70.0 Sv/h
    700 Sv/h
    4,000 Sv/h

    校正の照射ポイントは各線量率の範囲で6~9と変更になる場合があります。今回は7,70,700,,,4000となっています。

  • 校正・試験所規格

    ISO 17025

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