核種識別ソフトウェア PoliIdentify 取扱説明書
GPSログ出力で地図作成と核種識別・スペクトル解析
核種識別データの読み方
スペクトル解析を行い、核種識別を行うと、識別されたデータが表示されます。 こちらでは、解析データの読み方をご紹介します。
こちらにスペクトルデータのサンプルデータ(南相馬市の土を測定)があります。 ダウンロードし、ZIP書庫のファイルを 取り出してください。続いて、以下の手順で、ソフトウェアに読み込ませてください。
- PoliIdentify の上部メニューのスペクトルファイルの表示を選択して、souma.spe ファイルを読み込んでください。
- 右側メニューから、核種識別を開き、核種識別を実行のボタンをクリックしてください。
- ウィンドウの下の方に、判定結果が表示されます。
解析結果の詳しい読み方
核種識別を行いますと、こちらのような解析結果が表示されます。 基本的には、"identified nuclides" の核種のうち、上位に表示されるものだけを、見つかった核種として考えてください。
identified nuclides識別できた核種の一覧が、以下に続きます。
U 235, 1.49E03 +/- 2.3E02Bq, 1/8 peaks ( 32)
Cs134, 3.41E03 +/- 9.2E02Bq, 2/8 peaks ( 88, 115) uncertain 1),4)
Cs137, 4.19E03 +/- 2.E03Bq, 1/3 peaks ( 96) uncertain 4)
Co 60, 2.18E02 +/- 1.1E02Bq, 1/2 peaks ( 193) uncertain 1)
Tl201, 1.31E03 +/- 1.4E02Bq, 1/6 peaks ( 14) uncertain 1)
Am241, 1.67E03 +/- 1.7E02Bq, 1/15 peaks ( 14) uncertain 1)
Nb 95, 2.98E03 +/- 9.8E02Bq, 1/1 peaks ( 115) uncertain 1)
Pb X, 1/9 peaks ( 14) uncertain 1)
Sb122, 4.67E03 +/- 2.2E03Bq, 1/4 peaks ( 88) very uncertain 1),4)
Na 24, 2.18E02 +/- 1.1E02Bq, 1/3 peaks ( 193) very uncertain 1),2)
Br 82, 8.1E02 +/- 4.3E02Bq, 1/12 peaks ( 193) very uncertain 1),5)
U 238, 1.49E04 +/- 1.5E03Bq, 1/15 peaks ( 14) very uncertain 1),5)
Th234, 1.57E04 +/- 1.6E03Bq, 1/6 peaks ( 14) very uncertain 1),5)
Ra226, 1.05E03 +/- 5.5E02Bq, 1/28 peaks ( 193) very uncertain 1),5)
Pu241, 7.07E07 +/- 7.3E06Bq, 1/16 peaks ( 14) very uncertain 1),5)
Zr 95, 5.45E03 +/- 1.8E03Bq, 1/2 peaks ( 115) very uncertain 1),2),5)
U 234, 5.02E05 +/- 5.2E04Bq, 1/8 peaks ( 14) very uncertain 1),2),5)
この部分には、1~5の数字に対応した意味があります。
識別された核種は、複数の核種識別の結果として、表示されています。 より時間をかけて計測することで、他の核種が見つかるかもしれません。
見つかったスペクトルのピークは、うまく識別できていません。テスト線源などで再校正を行って、再測定をしてください。
見つかった核種を識別するには、長い時間の計測が必要です。再度、長い時間をかけて計測してみてください。
見つかった核種は、いくつかが重なっている可能性もあります。再度、長い時間をかけて計測してみてください。
この核種よりも他に、重要な核種が見つかる、あるいは見つかっていると考えられます。再度、長い時間をかけて計測してみてください。
1) Responsible peak is assigned to more than one nuclide.
Try longer measurement time to eventually find more peaks.
2) Responsible peak fits bad to library energy. Try to
recalibrate and repeat measurement.
4) Responsible peak is part of a multiplet. Try longer
measurement time to eventually find more peaks.
5) Another significant peak is expected to be found. Try
longer measurement time to eventually find more peaks.
上記と同じ説明文です。
*** nuclides not found ***見つかっていない核種の一覧です。
Ac228, <1.3E03Bq
Ag110, <6.5E02Bq
Ba133, <6.9E02Bq
Ba140, <6.5E03Bq
Be 7, <4.9E03Bq
Bi207, <5.6E02Bq
Bi210, <6.9E02Bq
Cd109, <1.1E04Bq
Ce141, <8.E02Bq
Ce143, <8.4E02Bq
Ce144, <2.4E03Bq
Co 57, <2.7E02Bq
Cs136, <4.7E02Bq
Eu152, <8.3E02Bq
Ga 67, <1.2E03Bq
Hg203, <4.2E02Bq
I 131, <5.4E02Bqヨウ素131
I 132, <1.8E03Bq
In111, <4.E02Bq
Ir192, <4.8E02Bq
K 40, <3.8E03Bq
Kr 85, <3.6E05Bq
La140, <3.9E02Bq
Mn 54, <2.9E03Bq
Mo 99, <3.5E02Bq
Na 22, <7.E02Bq
Pa234, <5.8E04Bq
Pb210 not detectable
Pb212, <1.E03Bq
Pd103, <1.9E06Bq
Pm148, <2.1E03Bq
Pm149, <1.2E04Bq
Pr144, <7.7E04Bq
Pu239, <3.8E06Bqプルトニウム239
Pu240, <4.6E06Bq
Pu242, <4.2E06Bq
Rh106, <1.2E03Bq
Ru103, <7.4E02Bq
Sb125, <1.7E03Bq
Sb127, <2.1E03Bq
Sr 85, <6.2E02Bqストロンチウム85
Tc 99, <3.6E02Bq
Te129, <6.6E03Bqテルル129
Te132, <6.4E02Bq
Th231, <6.1E03Bq
Th232, <5.5E02Bq
Tl208, <5.5E02Bq
U 233, <2.E06Bq
V 50, <5.7E02Bq
Xe133, <1.1E03Bq
Y 88, <3.5E02Bq
Y 90, <5.8E02Bq
peaks not assigned:
Energy FWHM(keV) peak area area error
この行は、セシウム137 が識別されたという意味です。
Cs137は、セシウム137 を示しています。
4.19E03 は、4.19×1000 ベクレルの量を検出したという意味です。 放射線測定器と線源の距離が 8cm の場合でのベクレル数になります。
+/- 2.E03Bqは、2.0 × 1000 ベクレルという意味です。 前記の検出されたベクレル数の測定誤差になります。
1/3 peaks は、セシウム137は、通常3本のエネルギーを放出することが知られています。 今回の解析で、そのうちの1本を検出したという意味になります。
(96)は、グラフ上の96番目の検出チャネルに、そのエネルギーが観測されたという意味です。 2,3つのスペクトルを検出した場合には、括弧 ( ) 内の数字が複数ある場合もあります。 赤いスクロールバーを移動すると、96の位置に山があることが分かります。
グラフの赤い指示バーを移動させると、ちょうど96の場所に、スペクトルのピークがあることが分かります。 またこの位置で、図のように、"Channel/Energy" ボタンで表示を切り替えると、セシウムが出すエネルギーに近い場所に指示バーが表示されます。